Predominant Information Channel
プリドミナント ・ インフォメーション ・ チャンネル

 優先情報チャンネルと関連することがら 


ハイリー・センシティブ・パーソン
「大変に敏感な人」Highly Sensitive Person (HSP)ということです。別の言い方では「高感受性」という意味で用いられています。これは、感覚処理感受性(sensory processing sensitivity: SPS)として研究されていますが、簡略的に言ってみれば「他の人よりも高い感受性がある」という意味合いで使います。このサイトで扱っている「優先情報チャンネル」では、こちらの「高い感受性をもつ人」という意味で取り上げることにします。
※これと似た言葉で「ハイパー・センシティブ」というのがあります。こちらの「Hyper Sensitive」の方は神経や脳レベルでの何らかの過剰や異常が考えられるという否定的なニュアンスが伴います。そのため、心理学的なテーマではなく、脳神経機能の器質的な問題を前提とすることが多いためここでは扱いません。
 人にも物事にも「凄い・普通・凄くない」というようにレベルがあります。ここで扱う「ハイリー・センシティブ・パーソン」は、「凄く感受性のある人」・「普通の感受性の人」・「あまり感受性のない人」という3分割にすれば、最初にある「凄く感受性のある人」を指しています。
 リラクセイションについてのサイト では、「身体が敏感すぎて、いろいろなことを感じすぎて」いる人について説明していますが、そうした人も「ハイリー・センシティブ・パーソン」と呼ぶことができます。
 何につけても「凄い人・普通の人・凄くない人」の3段階くらいはあるわけですが、感覚がひどく敏感であることによって次のことが起きてしまいます。すなわち―  
     
  • 感じすぎるので疲れてしまう…
  •  
  • 感じていることを人に話しても分かってもらえない…
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  • 自分は変なのではないかと思ってしまう…
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  • 間違って話題にすると「変な人」にされてしまう…
  •  
   「人よりも少し感覚が鋭敏なだけなのに…」と思わず、自分が情けなくなってしまいますが、そういうことでは「もったいない!」。そうした感性は「他の人にはない能力」なのですから!
 最近のテレビドラマなどでは、「人よりも優れた嗅覚がある!」「味でいろいろなものを識別することができる!」「一度見たものを忘れない能力がある!(これは直感像と言います)」、「触れた感触・手触りでいろいろなことが分かる!(これは視覚障害の方もそうですね)」などなどがテーマになったりしています。いずれも「高い能力」なのですが、周りにはフツーの人しか居ないので、いろいろと誤解されてしまい残念なことが起きてしまいます。
 それは本当に残念なので、そうした敏感さを「能力」として明確に位置づけること、そのために「優先情報チャンネル」といったとらえ方が大事になってきます。
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神経質・神経症について
 神経症(しんけいしょう 英語:neurosis、ドイツ語:Neurose ノイローゼ)と言う言葉をふだん使いますが、現在の精神医学ではこの言葉はあまり用いられなくなっています。気分変調性障害とか、不安障害、パニック障害、強迫性障害などのように「なんとか障害」という表現で、細かな区別がされています。

 しかし、優先情報チャンネルとの関係であらためて「神経質・神経症」を扱っておく必要があります。ここでは「ノイローゼ」という言葉を用いて説明することにします。さて、いわゆるノイローゼの大きな特徴は「あることが心の中に刻み込まれていて、いつもそのことに囚われている」という状態があることです。たとえば、「あの時のあのコトが…」と過去のことがらに囚われたり、いわゆる強迫観念では「カギをかけたのだが、どうしても掛け忘れた感じがして、何度も確かに戻る」などが例として示されることがあります。こうした状態はつらいのですが「どーしても、そうなってしまう」ということです。
 上に示したように、神経症は「なになに障害」として、精神科や診療内科で治療を受けることができます。投薬される薬の種類も増え、治療の質も高いのできちんと治療を受けることが大事です。ということで、神経症は治療対象だということを理解していただいた上で、次の解説を読んで頂ければと思います。

 「ある体験が、なぜ、心に強く刻み込まれるのか」ということを取り上げてみると、「心に強く刻み込まれる人・普通に心に残る人・心には全く残らない人」がいることが不思議に思えてきます。つまり、「自分はこんなに心に刻み込まれていて、死ぬほどにつらいのに、全然、感じていない人が居る…」ということです。そして、それはなぜなのか? 気になってきます。しかし、実はこの理由は脳の機能としてはまだまだ研究途上であまりよく分かっていません。結果として「強く刻み込まれる、そういうことがある」という事実があるだけなのです。
 
 このサイトは優先情報チャンネルのサイトなので、ここでは暫定的に次のように考えることにします。すなわち、「そのことが強く心に残る・深く刻み込まれたという事実」に基づいて、そうした事柄について、自分の感覚や感覚情報チャンネルには、「そうしたことを深く刻み込んでしまう働きがある」と考えることにします。
すると、次の問題は、「なぜそうなのか?」ではなく、その前に、「どのようにしてそれほど深く刻み込まれるようになったのか」を考えてみることです。
体調不良や疲れているときはまずは休んでください。元気になってからあらためてお読み下さい。

 「心に強く刻み込まれていること」には、いくつかの特徴があります。その中でもよくある特徴は、そうした体験は「恐怖」や「恥ずかしさ」「申し訳なさ」「恨み」など、自分にとってはつらくて残念な体験と結びついてることが多いということです。
 ここから少し話を跳ばしてしまいますが、多くの場合、自分にとって大事なことが何らかの仕方で「実現できなかった」「望んだようにならなかった」ために、それほどまでに深く刻み込まれている、と考えられるのです。それは言い換えると「実現して欲しかった!」「望んでいたのだ!」ということが挫折したり失われていたりする、ということです。

 さて、このコーナーでは「ノイローゼ」と呼ばれるものの根っこには「強い願い」があったのではないだろうか、と指摘するに留めます。そして、その「強い願い」がもしかすると裏返ったり逆さまになったりしている可能性があることを指摘するに留めます。そして、とりあえず暫定的な説明として、次のようにまとめておくことにします。
 すなわち―あなたの優先情報チャンネルは、「眼耳鼻舌身 意」(ゲンニビゼッシンニ)といった感覚の一番後ろにある「意」に関わっていて、そこでの「意」というものは「生への願い」という「イシキ」「カンカク」で世界を捉えている…のではないだろうか、ということです。

※森田正馬による「森田療法」の根本理念とあまり変わらないのでは…という見方もあります。ただし、そのように「意」という「イシキ」「カンカク」によって「セカイ」を捉えている、という把握の仕方が「優先情報チャンネル」というアプローチの立ち位置といえます。

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発達障害について

 発達障害という問題について、日本国内では1980-1990年代頃からはっきりと専門家によって認識されはじめました。それと同時に関連の本などもたくさん出版され少しずつ理解が進んできました。自閉症や学習障害(LD:Learning Disorder)や、「片付けられない女」などADD(注意欠陥障害)やADHD(注意欠陥多動性障害)などとともに、発達障害という言葉が一般的になってきました。発達障害には、いわゆる高機能の広汎性発達障害(PDD)である(従来の)アスペルガー症候群、さきほどのLDやADHDなども含まれています。
 
 国内では「脳機能の発達が関係する生まれつきの障害」とされ、国際的には「発達期間中のどの段階でも始まり、一生涯続く障害」とされています。後の方の定義は誤解される可能性がありますが、「単なる一過性の状態ではなく、脳機能といった器質的問題としてあるため、それ自体の医学的治療が(現状では)困難である」といった意味合いです。
 さて、優先情報チャンネルとの関係で把握しておくべきことは、自閉症の児童・成人によく指摘される「強いこだわり」ということが、「優先情報チャンネル」という考え方とどこかでつながっているかどうか、です。
 現状での結論を述べてしまうと、「発達障害と呼ばれる障害が基本にあって、そのために、特定の感覚が優先したり、劣位にあったりする」ということは、現象面では「優先情報チャンネル」あるいはその逆の「劣位情報チャンネル」の概念と類似している、ということになります。
 病態が重い発達障害を除くとするならば、「こだわり」と呼ばれるような偏った関心や行動は、現象面では「優先情報チャンネル」の相違によって社会的に生じるトラブルと同じような問題を引き起こします。しかし、本人がそのことを自覚して認知的な変容や行動上の変容へ至ることはかなり困難と考えられます。そのため、社会的な摩擦や誤解などといった現象面では似ているところがありますが、当面、このサイトでは(重い状態の)発達障害は「優先情報チャンネル」についての扱いに加えないことにします。これは、「優先情報チャンネル」に関わるこのサイトでは、「本人の自覚」「本人の認知と思考」そして「自覚的な行動」という 基準に立って、このサイトの情報を正しく有効に利用できる人を対象とするという制約から来るものです。

 しかし、自閉スペクトラム障害という言葉に進展したように、自閉症においてもいわゆる「軽度」から重度まで「幅が広い」ものです。また、様々な発達障害の診断を受けたからといって、全員が同じようにあり方をしているわけではありません。結局のところは「人それぞれ」の個性となっているのが実際のところです。したがって、特に発達障害ということをメインテーマにはしませんが、上に書いたように「本人の自覚」「本人の認知と思考」そして「自覚的な行動」という基準で本人ならびに周囲の人が対応できる場合に限って、カッコ付きですが、優先情報チャンネルで検討する範囲にあると考えます。
 
 
注意) このサイトは医学的な情報を伝えるサイトではありません。
優先情報チャンネルを扱う際の考え方を説明するサイトです。
病院やクリニックで治療を受けている方は主治医の指導を優先してください。

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