札幌ダンスセラピー研究会 2002



  ダンスセラピーについて  

  2.ダンスセラピーって何ですか?  

アメリカダンスセラピー協会での定義は…

Dance/Movement therapy is the psychotherapeutic use of movement as a process which furthers the emotional, cognitive, social and physical integration of the individual.

ダンス・ムーブメントセラピーとは、運動・動作を心理療法的に用いるものであり、それによって感情的、認知的、社会的そして身体的な統合をもたらすものである。
と書かれています。でも、これだけでは実際にどんな内容でどのようなことをするものなのかは、見当がつきませんね。しかし、これには理由があります。

1)厳密で狭い定義にしてしまうと、どんなことがダンスセラピーであるかないか…と、いつもに気になってしまう。

2)それよりも、動きや動作や姿勢などに基づく方法によって、「心理療法的」な癒しや改善や治療的な効果が得られれば良いのではないか。

3)文化的・宗教的な背景など、多様な人達と多様な状況がある中で、アプローチがあまりに厳密すぎると用いるのが難しくなってしまう―などなど。

ようするに、上述のダンスセラピーの定義は、「こころとからだ」に関わる効果的な方法やアプローチならば、それを取り込んでいく…という方向性をもっていると言えます。
もちろん、アメリカで始まったダンスセラピーは、アメリカという国の文化や歴史の影響によって、最初はモダンダンス的な内容が出発点になったといえます。そういう意味では「ダンス」による「セラピー」だったわけですが、現在では、その「ダンス」の意味は相当に広がっていて、「動きや動作や姿勢など、身体的なことがら」をも含むものになっています。

「舞踏」に基づくアプローチを進めている私の立場から言うと、「動かないで、ただ立っているだけ」であったとしても、そこに「こころや魂の癒し」が関わるのならば、「立っているだけでも、ダンス」と考えています(^_^)。実際、アメリカでも「舞踏的な方法」でセラピーを行っているセラピストもおりますし。

あなたのこれまでの体験や実践に基づいて、それが広い意味での「ダンスセラピー」の範囲にあって、それなりの効果があるのであれば、それも一つの「ダンスセラピー」と考えることができます。
実際、本当にいろいろな人が様々な問題や困難を抱えているので、決まり切った方法でいつも効果があるとは限りません。
ダンスセラピーの方法やアプローチは、そういう意味では、「多様性と柔軟性」を失うことなく、実践の場で鍛えられていく…ということでしょう。
*無断転載禁止   (1/18,2002 葛西記)